キッド・アイラック・アート・ホール 全五十四帖連続語り会


キッド・アイラック・アート・ホールでの連続語り会 2013年から2016年までの記録です。 

過去に遡ってあらすじなどもお読みいただけます。2012年までの記録はこちらへ 

 

 


第四十一回 『柏木 其の二』 四四月二十三日(土)二十四日(日) 2016年

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第四十回 『柏木 其の一』 二月十三日(土)十四日(日) 2016年


 

連続語り会

 

2 月13日(土)

  14日(日)

 

 

 第四十回

「柏木」第三十六帖 (其の一

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール

 

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いまはとて燃えむ煙もむすぼほれ
絶えぬ思ひのなほや残らむ
 

「この世で こんな思いかけぬことで報いがきてしうたさかい
後世の罪 少しは軽うなるやろか」
                  (柏木より)

 

柏木 其の一 あらすじ

 密通の事実が六条院に漏れたと知った柏木衛門督は、死を以て許しを乞うほかないと病床から女三宮に消息、女三宮た、侍従を介して身の辛さを伝えた。衛門督が侍従に最期の文を託したその夜、女三宮は産気づき男御子を出産した。父として不義の子を抱く源氏の心は重く、これは若き日の罪の報いであると思われた。盛大な誕生祝いの中、冷淡な源氏の態度に女三宮は苦しみ、出家の決意を告げる。源氏は内心歓迎しながら女三宮の若さを惜しむのだった。娘を思う余り下山してきた朱雀院と三者で対面、朱雀院は宮の出家懇請に戸惑いながらそれを認め、断行した。が、この取り返しのつかない事態が六条御息所の死霊の所為であったとわかる。
 死の床にある衛門督は女三宮の出家を聞き及びいよいよ衰弱、弟右大弁に北の方(女二宮)の後事を託す。帝は衛門督が臨終と聞き、回復を願って権大納言に任命するが甲斐のないことであった。

 これまでの物語をお聞きでない方もご安心下さい。

30分の解説でこれまでのお話や背景をお聞き頂いた上で語ります

 

 開演時間 両日  3時 (開場2時半)   

 

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

場所  明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

    東京都世田谷区松原2-43-11

                     ホールへのご案内

 

お問い合せ/お申し込み    キッド・アイラック・アート・ホール 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

 

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第三十九回 『若菜 下 其の四』 十二月五日(土)六日(日) 2015年



連続語り会

 

12 月5日(土)

   6日(日)

 

 

 第三十九回

「若菜 下」第三十五帖 (其の四

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール

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思へば その世の事こそは 
いと恐ろしくあるまじき過ちなりけれ

 
「衛門督が、こちらをみて笑うていられるのは、何とも恥ずかしい。
そうはいうても、今しばらくのことやろう。年月はさかさまには流れぬもんや。」
                  (若菜下より)

 

 若菜 下 其の四 あらすじ

 柏木の密通とそれによる女三宮の懐妊を知った源氏は女三宮の処遇に苦悩する。
紫上は病のうちにも源氏の思い悩む様子に女三宮への配慮を忘れない。
柏木は、密通の手引きをした小侍従から源氏が真相を知ってしまったことを聞かされ、戦きながら今になって女三宮の軽率さを思い、源氏は女三宮の幼さを悔やむと共に、かつての玉鬘の振る舞いが賢明であったことを思う。女三宮を案じる父朱雀院の文を読んだ源氏は、自嘲気味に女三宮に訓戒、院への配慮で返事を書かせる。

 六条院での朱雀院の五十の賀の試楽に召された柏木は、知らず顔に装う源氏に恐縮、皆が舞の素晴らしさに涙する中、源氏が名指しで向けてきた皮肉と視線に畏怖する。怖れのあまりに妻である女二宮に別れを告げて実家で重い病の床についた柏木を、帝はじめ世の中は惜しむが、延び延びになっていた朱雀院の五十の賀は柏木不在で執り行われるのだった。

 


第三十八回 『若菜 下 其の三』 十月三日(土)四日(日) 2015年


源氏物語 若菜下 案内 山下智子


連続語り会

 

10月3日(土)4(日)

 

 

 第三十八回

「若菜 下」第三十五帖 (其の三)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール

源氏物語 案内 山下智子

 

 

悔しくぞ摘み犯しけるあふひ草

神の許せるかざしならぬに


 
「昨日のものはどう遊ばしました
今朝 院が見といやした文の色は似てたことでござりましたが」
                  (若菜下より)

 

 若菜 下 其の三 あらすじ

 柏木は女二宮と結婚するもなお女三宮を諦めらめきれず、小侍従に女三宮への手引きを頼む。その必死さに負けて小侍従は六条院が人少なの折に女三宮の御寝所に柏木を招き入れてしまう。見知らぬ男の出現に脅えて声も出ない女三宮を口説くうち分別をなくした柏木は宮と契り、猫の夢を見て目覚める。二人は共に源氏の院を畏れるが、この一夜で女三宮は懐妊してしまった。

 二条院では病に伏せっていた紫上の訃報が流れ一時騒然となるが、祈祷により息を吹き返す。災いは死霊となった故六条御息所の所為であった。受戒をした紫上は小康を得る。

 源氏の院は女三宮の懐妊に不審を抱いていたが、女三宮の襖(しとね)の下に挟み込まれた柏木からの文を発見、密通が露見してしまう。女三宮は自身のうかつさに涙するばかりの幼さであった。

 

 


第三十七回 『若菜 下 其の二』 八月八日(土)九日(日) 2015年



連続語り会

 

8月8日(土)9(日)

 

 第三十七回

「若菜 下」第三十五帖 (其の二)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール

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夜の静かになりゆくままに

いふ限りなくなつかしき夜の御遊びなり 

 

 
春の空の
たどたどしい霞の間からもれる
月の光のもとで
静かに吹き合わせるという風には
まいりませぬ 

 

若菜 下 その二 あらすじ


 正月二十日頃、六条院で盛大に女楽が催された。女童達の装いも華やかに、明石御方は琵琶、紫上は和琴、明石女御は箏の事、女三宮は琴(きん)を奏し、夕霧はじめ源氏の一族が歌や笛を添えた。女君達の美しさはそれぞれ花に例えられ、夕霧は源氏と音楽論を交わし女楽の素晴らしさを讃えた。

 女楽が無事終わり、源氏は紫上との語らいの中、かつての女性達を評論、紫上を讃えて、上の出家願望を退けた。

 紫上は、自身が源氏にとって特別な存在であることは自覚しながらも、どうにも満たされない心労が募り、病に伏してしまう。厄年であることを怖れた源氏は、様々の祈祷や加持をさせるが二月には重態となり、二条院に移して療養に専念、源氏と明石女御が看護するが、その甲斐もなく日に日に衰弱してゆくのだった。

 

 


第三十六回 『若菜 下 其の一』 六月六日(土)七日(日) 2015年



連続語り会

 

6月6日(土)7(日)

 

 第三十六回

「若菜 下」第三十五帖 (其の一)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール

 



恋ひわぶる

人のかたみと手ならせば

汝よ何とて

鳴く音なるらむ




けったいな、にわかに猫が時をえることや。

こんなもんは 見もおしやさへなんだのに・・・・・・



第三十五帖 「若菜 下 其の一」あらすじ

 

 柏木衞門督の女三宮への思いは深刻で、春宮を介し手に入れた女三宮の唐猫を懐に抱いて心を慰めていた。式部卿宮は孫娘の真木柱の結婚相手として衞門督を考えていたが断念、螢兵部卿宮と再婚させたものの、二人の仲はうまくいかなかった。

 四年の歳月が流れ、冷泉帝は譲位、朱雀帝の皇子が即位し今上帝となり、明石の女御の産んだ一宮が春宮となった。鬚黒大将が右大臣に、夕霧は大納言に昇格した。一方、紫上は出家を願うが源氏はそれを許さない。

 十月、願解きの意をこめた源氏の住吉参詣は盛儀を極め、管弦に一夜を明かした。同行した明石の尼君は感無量の思いであった。

 源氏は、この世の名残に今一度女三宮の琴(きん)を聞きたいという朱雀院の意向から、院の五十の賀を催し女楽を披露しようと計画、手ずから女三宮に琴の奏法を伝授する。紫上や明石女御はそれを羨むのだった。




第三十五回 『若菜 上 其の四』 四月十一日(土)十二日(日) 2015年



 

連続語り会

 

4月11日(土)12(日)

 

 第三十五回

「若菜 上」第三十四帖 (其の四)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール




 

 

いかなれば

花に木伝ふ鶯の

桜をわきてねぐらとはせぬ

 

 

 

御召物の裾がゆったりしてて お身体つきはたいそう細うてささやかで 

髪のかかってる御横顔がいいようものう上品で可愛らしおす

 

 


 

 

 第三十四帖 「若菜 上 其の四」あらすじ

 

 東宮に男皇子が誕生し慶びにわく中、明石の御方は父入道の遺書を娘明石の女御に見せ、源氏も入道の入山を知り、入道の瑞夢がこの度の皇子誕生を導いたことに涙した。源氏は女御に義母紫の上への感謝を忘れぬよう言い聞かせ、明石の御方には紫の上と心を合わせて女御を後見するよう頼む。


 柏木は女三宮を諦めきれずにいる。三月に六条院で催された蹴鞠にうち興じながら、女三宮の部屋の方ばかり気にしていると、そこからふいに猫が飛び出し、御簾が引き開けられたその奥に女三宮の姿があった。そのおおらかであどけない姿に柏木は魅了され、思慕は募り、源氏が宮を疎かにしているのではと夕霧に問いかける。柏木は小侍従を介して女三宮に文を送るが、宮の理解は幼いものだった

 

 



第三十四回 『若菜 上 其の三』 二月七日(土)八日(日) 2015年






連続語り会


2月7日(土)8(日)

 

 第三十四回

「若菜 上」第三十四帖 (其の三)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール



 

 

 

第三十四帖 『 若菜上 』(其の三)

 

 

身にちかく秋や来ぬらむ見るままに

 

青葉の山もうつろひにけり

 

 


 

折にふれて苦しいお気持ちが自然と洩れでてしまうのを 

何気ない風に打ち消しといやすのも 

またとないお方としみじみお思いやす。


 

(若菜の巻より)

 


 

若菜(其の三) あらすじ

 

 夏頃、明石の女御は懐妊のため里下がりした。紫の上は自ら申し出て女三宮と対面、六条院の安定を慮り、自身の苦悩は隠し続けた。源氏は紫の上の美質に改めて感心する一方、朧月夜の君への思いも抑えきれないのだった。


 十月、紫の上は源氏四十の賀を嵯峨野の御堂で催し、続く二条院での精進落しの賀宴は盛大を極め、源氏は往時を回想した。


 十二月、秋好中宮、夕霧主催の祝賀も催された。


 年が明けて三月、明石の女御は男御子を出産、盛大な祝事となった。一方、明石の地で若宮の誕生を伝え聞いた明石入道は、明石の御方の出生時に見た夢、宿願をしたためた遺書を送った後入山、消息を絶った。明石の御方、母尼君は入道の最後の様子を伝え聞き悲嘆に暮れた。


訂正  ちらしの歌 うつろいひにけりは は うつろひにけり の間違いです。


第三十三回 『若菜 上 其の二』 十二月十一三日(土)十四日(日)


若菜上 源氏物語 山下智子
若菜上 源氏物語 山下智子
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第三十四帖『若菜 上』その二

 

 

 

目に近く移れば変わる世の中を

 

行く末とほく頼みけるかな

 

  

 

風流な程度に柔らこうなったお召物に 

えもいわれぬ匂いを焚きしめてお渡りやすのを

お見送りやすのは ほんまに

心穏やかではいられぬことどっしゃろ

  

(若菜の巻 上 より)

 

 

若菜 上 その二 あらすじ

 

 正月、玉鬘による源氏四十歳の祝宴があり、若菜が献上された。

 二月十日過ぎ、六条院に女三宮が降嫁、盛大な婚儀が三日間続いた。紫の上は独り寝の眠れぬ夜を重ね、不安と苦悩を深めてゆく。一方、源氏は女三宮の幼さに失望し、紫の上が夢に現れたことに不安を感じ上のもとに戻るが、二人の心は解けあわない。源氏は女三宮から届いた返歌のあまりの稚拙さにこの結婚を後悔し、朱雀院の宮への教育を批判する。朱雀院は山寺に移り、源氏と紫の上への消息に宮を思いやる親心を見せる。

 朱雀院の出家に伴い、二条の宮に退出し仏道に心を傾けようという尚侍(朧月夜)の君を、源氏は見過ごすことができない。紫の上には末摘花の見舞いと偽って訪ね、一夜を過ごす。紫の上は朝帰りの源氏の様子を察し、一層心を閉ざすのだった。

 


 

 


第三十二回 『若菜 上 其の一』 平成二十六年 十月十一日(土)十二日(日)


若菜上 ちらし 山下智子
若菜上ちらしうら 山下智子
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第三十四帖『若菜 上』その一

 

 

 

さしつぎに見るものにもが万世を

 

黄楊の小櫛の神さぶるまで

 

  

 

年端もいかず 

ただ独りを頼もしい者に思うてきたのに

うち捨ててしもうた後の世に途方にくれるのやないかと

どこまでも気がかりで心苦しおす 

  

(若菜の巻 上 より)

 

 

若菜上 その一 あらすじ

 

 源氏の兄である朱雀院は病がちで出家を決意するが、最愛の娘女三宮の将来が心配の種だった。柏木、螢の宮など熱心な求婚者が大勢いる中、夕霧に、とも考えるが父光源氏と比較、乳母の意見と働きもあって、幼かった紫の上を理想的な妻に育て上げた源氏を適任者と考えた。源氏はこの申し出に最初は女三宮の降嫁を辞退したが、宮が亡き藤壺の宮の姪であることに心惹かれるものもあった。

 年の暮れ、朱雀院は女三の宮の裳着の儀式を盛大に催した後、出家を果たした。院を見舞った源氏は女三宮をあとに残す苦衷を訴える院に同情し、女三宮の後見を承引することにした。

 内親王である女三宮は正室として迎えねばならず、源氏は紫上に配慮し言葉を尽くが、源氏だけを生きる頼みにしてきた紫の上の衝撃は大きい。上は絶望と不信に陥りながらも取り乱すまいと平静を装うのだった。

 


第三十一回 『藤裏葉』 平成二十六年 八月九日(土)十日(日)


藤裏葉ちらし 山下智子
藤裏葉ちらしうら 山下智子
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紫の雲にまがへる菊の花

濁りなき世の星かとぞ見る

 

 

 

 
梢は若葉もまばらで淋しい頃どすけど
えろう様子ありげに横たわってる松の
小高いというほどでもないのに
  
からみついてる花の様子は
世の常の様ではのうて面白うおす
 

 

藤の裏葉 あらすじ

 

 内大臣は夕霧の縁談を耳にし、娘雲居雁との結婚をついに許そうと和解の機会をうかがう。四月、自邸の藤の宴に招いてめでたく結婚の運びとなった。内大臣は六年越しの恋を結実させた立派な婿を丁重にもてなした。

 明石の姫君(十一歳)の春宮入内は四月二十余日と決まった。養母紫の上は生母明石の御方を思いやり、後見役を譲ることにし、紫の上と明石の御方ははじめて対面、互いに相手の美質を認めあう。紫の上に引き取られて八年、姫の成長に明石の御方は夢を見ているようであった。

 明年四十の賀を迎える源氏のために帝をはじめ宮廷中が準備に奔走していた。秋、源氏は准太政天皇の処遇を受ける。内大臣は太政大臣に、夕霧は中納言にそれぞれ昇進した。

 

 冬、冷泉帝の六条院行幸があり、朱雀院も御幸、かつての紅葉の賀を彷彿とさせる盛儀で、源氏の栄華はここに頂点に達する。

 

 

 


第三十回 『梅枝』 平成二十六年 六月七日(土)八日(日)


梅枝ちらし 山下智子
真梅枝ちらしうら 山下智子

 

 

 

 

 

はなの香は 散りにし枝にとまらねど

うつらむ袖にあさく染まめや

 

 

 

 

かすんだ月の光も奥ゆかしう

気品のある感じがし

花の香もやさしいとこへ御殿の辺りには

言いようもないほど匂いが満ちて

人々のお心持ちも

 たいそう風流なことでござります。

 

 

 

 

梅枝 あらすじ

 六条院源氏の大臣は十一歳の明石の姫君の裳着の支度を急ぐ。源氏の大臣は蔵から唐渡りの香を出させ、女の方々に薫物の調合を依頼し、自らも秘伝の香を調合する。裳着の式の前日、依頼した香が揃い、弟の兵部卿の宮に薫物合わせの判者をさせる。その夜は明日の管弦の遊びの下稽古となり、美声の弁少将が「梅枝」を謡い、歌を詠みあって夜が更けた。

 翌日の明石の姫君の裳着は盛大を極め、秋好中宮が腰結いをつとめた。源氏は六条院に気後れする貴族達の噂を聞いて東宮入内を延期、先を譲る。また、華麗な調度類に加えて優れた手習いの手本を方々に依頼し、前の帝の手になる冊子をはじめ名筆が六条院に集まってくる。

 内大臣は娘雲居の雁が夕霧との恋に悩んでいるのに胸を痛める。源氏も親として訓戒を与えるが、夕霧の心は変わらない。雲居の雁は夕霧の縁談の噂を聞き心を乱す。


第二十九回『真木柱 其の二』 平成二十六年 四月十二日(土)十三日(日)


真木柱ちらし表
真木柱ちらし裏

 

 

 

 

第三十一帖 『 真木柱 』(其の二)

 

 

ながめする軒のしづくに袖ぬれて

 

うたかた人を偲ばざらめや

 

 

 

 

 

東琴を菅掻きして

「玉藻はな刈りそ」と

遊び半分に唱うといやすのも

恋しい人にみせたら

心動かさずにいられへん御様子どす。

 

 

 

 

 

 

 

真木柱(其の二) あらすじ

 

 

 玉鬘を手に入れた髭黒大将は有頂天となり、顧みられない北の方は三人の子供達を連れて、父式部卿宮の邸にもどった。驚いた大将は宮邸に赴くも姫に会うことは叶わず、二人の男君だけを連れ帰った。

 不本意な結婚に気持ちの晴れない玉鬘を気遣った大将は、しぶしぶながら正月、男踏歌の日に玉鬘を参内させた。承香殿に局を戴いた玉鬘に上がお渡りになり、その美しさに真底惜しいことをしたと大将との結婚を恨まれるので玉鬘は困惑する。大将は、このまま宮中に留め置かれてはと退出を急がせ、そのまま自邸に連れ帰ってしまう。この大将の強引な仕方を不快に思った源氏は、玉鬘を恋い偲び文を送る。玉鬘も往時を偲び改めて源氏の心が身に沁み、歌を返す。帝も玉鬘への恋情に苦しみ、大将の北の方は男君達から玉鬘の様子などを聞き嘆きを募らせる。

 十一月、玉鬘は男児を出産し、大将をおおいに喜ばせた。

 

 

開演時間  2014年  4月12日(土)13日(日)

      3時 (開場2時半)

    

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

 

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

 

   東京都世田谷区松原2-43-11

 

ホールへのご案内

 

 

 

チケットのご予約キッドアイラックホール 

 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

 

 


第二十八回『真木柱 其の一』 平成二十六年 二月十五日(土)十六日(日)


真木柱ちらし表
真木柱ちらし裏

 

第三十一帖 『 真木柱 』(其の一)

 

 

今はとて宿離れぬとも馴れきつる

 

真木の柱は我を忘るな

 

 

 

 

いつも寄りかかっといやす東座敷の柱を

人にやってしまうよな気がするのも悲しうて

檜皮色の紙をかさねたのに

ほんのすこし書いて

柱のひび割れた隙間に笄の先でさしこみやす

 

(真木柱の巻より)

 

 

真木柱(其の一) あらすじ

 

 玉鬘を得たのは意外なことに堅物の髭黒大将であった。玉鬘は髭黒を厭い、不本意な結婚を嘆いた。源氏は痛恨の思いで玉鬘を見舞い、尚侍としての内裏への出仕を勧めた。髭黒は玉鬘を自邸に引き取る算段で出仕を承知した。

 

 髭黒は人が変わったように玉鬘を熱愛するあまり北の方(正妻)を顧みない。北の方は式部卿宮の娘であったが、物の怪に取り憑かれ病んでおり、髭黒が宥めながらも玉鬘との同居を求めるので苦悩は増すばかりだった。玉鬘のもとへといそいそと出かけようとする髭黒に薫物の火取りの灰を浴びせかけ、以来髭黒は自邸に寄りつかなくなる。式部卿宮は北の方とその子供(姫と男児二人)を引き取ることにした。北の方は子供達のゆく末を憂い、姫は住み慣れた家を去るにあたり悲しみの歌を真木の柱に遺していった。 


 

開演時間  2014年  2月15日(土)16日(日)

      3時 (開場2時半)

    

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

   東京都世田谷区松原2-43-11

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第二十七回『藤袴』 平成二十五年 十二月十四日(土)十五日(日)



 

第三十帖 『藤袴』

 

 

同じ野の 露にやつるる藤袴

 

あはれはかけよ かごとばかりも

 

 

 

その物腰が 

気がきいていてやさしうおいやすにつけても

あの野分の時の朝のお顔が忘れられず恋しいので

 

道ならぬことやと思うたのどしたが・・・

 

(藤袴の巻より)

 

藤袴 あらすじ

 

 玉鬘は、尚侍として宮仕えすることにためらい、独り悩んでいるところへ源氏の使者として夕霧が訪ねてくる。姉妹の関係にないと知った夕霧は、ともに亡くなった祖母大宮の喪に服していることにことよせ、藤袴の花を差し出し恋慕の情を訴える。夕霧は源氏への復命の折、世間の噂にかこつけて玉鬘に対する源氏の真意を問い、源氏は玉鬘への思いを断ち切る決意をする。

 喪が明けて、玉鬘の出仕は十月と決まる。柏木は玉鬘を姉とも知らず懸想してきたが、父内大臣の使いで訪ねた折、玉鬘の他人行儀な態度に接し恨み言をいう。東宮の叔父でもある髭黒大将はいよいよ熱心に求婚、内大臣は期待するが、源氏は快く思っていない。

 

 玉鬘の出仕が近づくにつれて求婚者達は苛立ち、相次いで恋文が寄せられるが、玉鬘は兵部卿の宮にのみ返歌をした。

 

 

開演時間  12月14日(土)15日(日)

      3時 (開場2時半)

    

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

   東京都世田谷区松原2-43-11

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第二十六回『行幸』 平成二十五年 十月十二日(土)十三日(日)


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第二十九帖『行幸』

 

 

小塩山 みゆきつもれる松原に

 

今日ばかりなる 跡やなからむ

 

 

 

帝が赤色の袍をお召しあそばし

端正でみじろぎもおしやさしまへん御横顔に

較べ申しあげられる人は 誰もござりまへん

 

(行幸の巻より)

 

 

 

行幸 あらすじ

 

玉鬘の処遇に苦慮する源氏は、玉鬘の入内を考えている。十二月に冷泉帝が大原野へ行幸、玉鬘も行幸見物に出掛け、初めて見る父内大臣の姿に目をとめるものの、帝の端麗な姿は格別で、源氏の勧める入内へ心が動く。

 

 

 玉鬘の裳着を急ぐ源氏は、内大臣にその腰結役を依頼するが、大宮の病気を理由に断られてしまう。源氏は三条の宮に大宮を見舞い、玉鬘が内大臣の子であることと入内の件を打ち明け、内大臣と会えるように依頼する。大宮からの文により内大臣が駆けつけ、源氏と久々の対面をして和解する。源氏は玉鬘のことを打ち明けるが、夕霧と雲居雁とのことには触れない。

玉鬘の裳着の日には大宮、中宮などから祝の品が贈られる。玉鬘をわが子と知った内大臣は、複雑にも嬉しい思いで越結を務めた。玉鬘を慕って文を送っていた中将なども真相を知り複雑な思いでいる。

 

 近江の君は、玉鬘の尚侍就任をうらやんで激昂するが、周りの人々や内大臣も心にもない言葉をかけ、近江の君を物笑いの種にしている。

 

 

  

開演時間  12日 (土)  13日(日)  

      3時開演  (開場2時半)   

 

    

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

場所  明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

    東京都世田谷区松原2-43-11

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第二十五回『野分』 平成二十五年 八月十日(土)十一日(日)


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第二十八帖『野分』

 

 

風さわぎ 村雲まよふ夕べにも

 

忘るる間なく わすられぬ君

 

 
気品がおして綺麗で
ぱっと匂うてくるようどして
春の曙のかすみの聞から
趣のおす樺桜が咲きこぼれたのを
見る思いがするのどす。

(野分の巻より)

 

 

 

 

野分 あらすじ

 

 風見舞いに六条院南の御殿を訪れた夕霧は、はじめて義母・紫の上の美しい姿を垣間見る。父源氏が自分を紫の上に近づけぬようにしたことと思い合わせ、夕霧はまんじりともせず、その美しい面影に一夜思い乱れる。 翌朝、花散里、秋好中宮を見舞い、秋の御殿の様子を源氏に報告するが、御簾の内の紫の上の気配を感じて物思いに耽る夕霧の姿に、察しの良い源氏は不審に思う。源氏は夕霧をお供に中宮を見舞った後、明石御方を形ばかりに見舞い、玉鬘のもとへ。いつものように色めいた戯れ言に困惑しながらも微笑む玉鬘、その様子を垣間見た夕霧は親子とも思えない程の二人の親密さに驚く。生真面目な夕霧だが、垣間見た紫の上、玉鬘の美しさに心が動いて、明石の姫の様子も隙見、その後祖母大宮のもとへ行く。大宮は来合わせた内大臣に孫・雲居雁に会えない寂しさを訴えるが、内大臣は源氏、夕霧へのこだわりを捨てきれず、また、娘近江の君の不出来に愚痴をこぼす。

 

 

源氏の子息 夕霧の中将の隙見を通して描かれる六条院の女君達の物語です。

 

開演時間  10日 (土)  11日(日)  

      3時開演  (開場2時半)   

 

    

入場料 前売り:2,000円 (当日:2,500円)

 

場所  明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

    東京都世田谷区松原2-43-11

                     ホールへのご案内

 

チケットのご予約     ッド・アイラック・アート・ホール 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

第二十四回『常夏』『篝火』 平成二十五年 六月二十一日(金)二十二日(土)

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第二十六帖『常夏』

 第二十七帖『篝火』 

(二帖通し上演)

 

内大臣の娘 近江の君 玉鬘の苦悩

 

ゆくへなき 空に消ちてよ篝火の   たよりにたぐふ 煙とならば

 


御髪の手ざわりなどはひんやりして

気品のある感じがし

身を堅うして

何事も恥ずかしう思うといやす様子は

ほんまに可愛らしおす。

 

(篝火の巻より)

 

 

 

 

 

常夏 あらすじ


夏、源氏は内大臣の子息達が夕霧を訪ねてきた折に、内大臣が最近引き取った娘・近江君のことを話題にし、皮肉る。玉鬘は父内大臣の人柄についての源氏の話しぶりに、二人の対立関係を知る。源氏は玉鬘に恋愛論などを語りながら彼女の処遇を思い迷う。

 内大臣も夕霧と引き離した雲居雁の処遇を案じているが、問題は近江の君である。なかなかの美貌だが教養がなく早口で、洗練された姫と云うには難がある。弘徽殿女御のもとでの行儀見習いを勧めると、喜んだ姫はめちゃくちゃな歌を贈り、女御を困惑させる。

 

篝火 あらすじ

 

 源氏の玉鬘への思いはいや増し、ある夜琴を枕に玉鬘に寄り伏す。消え入りそうな篝火がまた燃え出すと玉鬘は美しく照らしだされる。東の対からは夕霧や柏木らの合奏が聞こえてくる。柏木は玉鬘を思うあまりうち解けて琴を弾き続けることができない。

今回はいつもと違って金曜夜と土曜午後の公演です。

本文の前に30分のあらすじ解説をいたしますので

初めての方もご遠慮なく! 

 

 

日時/6月21日 (金)  6時半時 (開場6時)   

      22日 (土) 3時  (開場2時半)

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

   東京都世田谷区松原2-43-11

ホールへのご案内

 

入場料/前売り:2,000円 (当日:2,500円)

チケットのご予約/キッドアイラックホール 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

*4月12日までは、下記フォームでも予約を承ります。

必要事項にご記入のうえご送信下さい

 

 


第二十三回 『螢』 平成二十五年 四月十三日(土)十四日(日)


 

第二十五帖『螢』

 

 

螢の光にうかびあがる美姫

源氏の物語論

 

声はせで身をのみ焦がす螢こそ 言ふよりまさる思ひなるらめ

 

 

そのまま夜も明かさんと

軒の雫みたいに涙がこぼれるのも苦しおすさかい

濡れ濡れて夜深うお出ましやした。

 

 

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螢 あらすじ

 玉鬘は養父である源氏から求愛され悩んでいる。また兵部卿の宮からもしばしば懸想文が届くようになる。五月雨の頃、源氏は玉鬘にその返事を書かせ、宮が訪ねて来た折に、玉鬘の居る几帳のもとに螢を放ち、その光で姫の様子を垣間見せる。宮は玉鬘に魅了され歌を贈る。玉鬘は源氏の恋情や実の父内大臣に未だ引き合わせてもらえない不安定な立場に苦悩する。

 五月五日、六条院夏の町の馬場での騎射の催しの折にも、源氏は西の対の玉鬘を訪れる。その夜は花散里のもとで兵部卿の評などし、穏やかに過ごす。

 長雨の頃、六条院の女君達は絵や物語に熱中している。玉鬘を訪れた源氏は、物語論に言寄せて姫に思いを訴える。また紫上に対しても物語に対する持論を語る。

 夕霧は内大臣によって裂かれた雲居の雁を恋しく思う。一方内大臣は今頃になって亡き夕顔の忘れ形見(玉鬘)を捜し出そうと手を尽くす

 

本文の前に30分のあらすじ解説をいたしますので

初めての方もご遠慮なく! 

 

 

日時/4月13日 (土) 3時 (開場2時半)   

      14日 (日) 3時 (開場2時半)

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

   東京都世田谷区松原2-43-11

ホールへのご案内

 

入場料/前売り:2,000円 (当日:2,500円)

チケットのご予約/キッドアイラックホール 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

*4月12日までは、下記フォームでも予約を承ります。

必要事項にご記入のうえご送信下さい

 

 


第二十二回 『胡蝶』 平成二十五年 二月二十三日(土)二十四日(日)


 

第二十四帖『胡蝶』

 

 

六条院 春秋争いの風雅

 

こてふにも誘はれなまし心ありて八重山吹を隔てざりせば

 

 

たいそううららかに空は晴れていて

童べたちが霞の間から立ちあらわれたのは

ほんまに美しう優雅ににみえるのどす

 

 

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胡蝶 あらすじ
 晩春三月、六条院春の御殿で池に龍頭鷁首の舟を浮かべての舟楽が催された。折から秋好中宮が里下がりをしていたので宮付きの女房も舟楽を見物し、春の御殿の素晴らしさを宮に伝えた。夜は前庭での管弦の宴、内の大臣の中将はじめ、昨秋六条院に迎えられた玉鬘に思いを寄せる方々は多く、中でも源氏の弟の兵部卿宮は玉鬘を強く所望する。
 翌日は秋好中宮による季の御読経があり、舟楽に参集した貴紳達は中宮の御方に参上。紫の上は鳥蝶に扮装した童を使者に桜と山吹の花を贈り春秋優劣の歌の贈答をした。
 夏四月、源氏は玉鬘に届けられた懸想文をあれこれ読み、人物の批評とともに玉鬘に返答の仕方など指導するが、ある雨上がりの夜、源氏自身もかつての恋人夕顔にかさなる玉鬘への思いを抑えきれず心中を打ち明ける。不安定な身の上の玉鬘は他に頼る人もなく困惑するばかりであった。

 

本文の前に30分のあらすじ解説をいたしますので

初めての方もご遠慮なく! 

ブログ紫苑の小径に「胡蝶」への思い 書きました。

 

日時/2月23日 (土) 3時 (開場2時半)   

     24日 (日) 3時 (開場2時半)

場所/明大前 キッド・アイラック・アート・ホール

   東京都世田谷区松原2-43-11

ホールへのご案内

 

入場料/前売り:2,000円 (当日:2,500円)

チケットのご予約/キッドアイラックホール 

TEL. 03−3322−5564     FAX. 03−3322−5676

 

 

 

 

連続語り会 第三十七回

 

8月8日(土)9(日)

 

 

「若菜 下」第三十五帖 (其の二)

 

会場  京王線 明大前

キッド・アイラック・アート・ホール