第三十七帖「横笛」 嵯峨天皇勅願寺 「浄住寺」

五月二十一日(日)

 

源氏物語 朗読 横笛 山下智子 浄住寺

 

笛竹に吹き寄る風のことならば

末の世長きねに伝へなむ

 

 

「この人が生まれ出やすための約束ごとで

あのような思いもかけんことも起こったのやろう。

逃れられぬことやったのや。」

                   (横笛より)

 

 

「横笛」あらすじ

 

 春、柏木衛門督の一周忌に人々は故人を偲び、源氏、夕霧は心を尽くして供養を営んだ。女三宮のもとを訪れた源氏は、その可憐な尼姿を今更に惜しみ、這い出して来た薫の若君が朱雀院から贈られた筍に無心にかじりつく姿をいとおしむ。気品溢れる薫君の成長を見るにつけ、自身の老いとこのような宿縁についてもの思う源氏であった。

 夕霧は、衛門督がいまはの際に遺した言葉が心から離れない。秋になると一条宮を見舞い御息所に対面、衛門督の愛した和琴を弾く。女二宮と「想夫恋」をわずかに合奏し歌を交わし、意中を仄めかす。御息所から贈られた衛門督遺愛の横笛を手に御殿に戻ると、その夜の夢に衛門督が現れ、夕霧が笛を所有することに異議を唱えるのでその処置に窮する。夕霧は六条院に参上し、若君に衛門督の面影をみるがその考えを打ち消し、源氏に衛門督の夢と遺言を伝える。源氏は笛を預かるが、夕霧が真相に迫っていることを知る。

 

 

数少ない黄檗建築 浄住寺

苔寺や鈴虫寺、地蔵院「竹の寺」に程近く、参道石段の青紅葉が美しい葉室山浄住寺は、嵯峨天皇の勅願寺として開創、中国風の本堂・寿塔は元禄2年(1689)鉄牛和尚により建立されました。参道横に希少な亀甲竹を見ることができます。

仙台藩4代藩主・伊達綱村が幼少期を過ごした屋敷を移築したという方丈には、(有名な御家騒動「伊達騒動」で幼い綱村が命を狙われることもあったためか)「武者隠し」があり、床の間の壁に設けられた穴から抜け出せる仕掛けが残っています。江戸時代の池庭もみどころです。

 第三十七帖 【横笛】 

    

5月21日 (日) 

 

ところ 浄住寺   地図

 

京都市西京区山田開キ町9

  075-381-6029 (当日のみ)

 

開場   13時30分より受付開始

開演   14時 (16時終了予定)

 

ご参加費 4000円  

要予約 椅子席。お早めに御予約下さい

 ご予約は↓フォームへ

 

 アクセス

*阪急嵐山線 上桂駅から徒歩12分。

 

*松尾大社駅前から63,73,83系統で3つめ「苔寺・すず虫寺」下車、徒歩約5分

 

*四条烏丸から 市バス29系統 「松尾大利町」下車、徒歩約7分

*西院駅から市バス69系統 「桂中学」下車 徒歩8分

 

源氏物語 柏木 招喜庵 京都 山下智子
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源氏物語第二部【柏木】後編  三月十二日 (日)

 

 

招喜庵(重森美玲邸宅 主屋) 満員御礼 ありがとうございます。

 

源氏物語 朗読 柏木 山下智子 招喜庵 京都 

 

誰が世に種はまきしと人問はば

 

いかが岩根の松は答へむ

 

 

女宮にも、とうとうお逢いやさずじまいで

   泡の消え入るようにお亡くなりやした。

                  (柏木より)

 

 

柏木 後編   あらすじ

 柏木衛門督は見舞いに訪れた夕霧に病の真因を打ち明け、後事を頼むと、周囲の祈りの甲斐もなく亡くなった。正妻女二宮(落葉宮)とその母御息所はもとより、衛門督の父至仕大臣の嘆きは言いようもない。尼となった女三宮も、衛門督との宿縁に涙した。
 三月、女三宮の生んだ若宮の五十日(いか)の祝が催されたが、尼宮と心通うべくもない六条院の心境は複雑で、若宮に面影を映した衛門督の早逝を惜しみ、尼宮の心中を察するのであった。
 夕霧は世の中が悲しみに暮れる中、女二宮の実家一条宮を見舞い、心篤く御息所と故人を偲んだ。また、至仕大臣邸を訪ね唱和を以て哀悼した。以来、夕霧は一条宮を常に見舞い女二宮と歌を交わすうち宮への思いが深まり、一条宮の女房達も夕霧と女二宮の再縁に期待を寄せるようになる。

 

 これまでの物語をお聞きでない方もご安心下さい。

30分の解説でこれまでのお話や背景をお聞き頂いた上で語ります。

 

 

 

会場 招喜庵さん

 

今回の会場「招喜庵」さんは、東福寺方丈、瑞峯院、松尾大社の作庭、また前衛いけばなで知られる重森美玲の邸宅の主屋部分です。庭園部分は現在重森美玲庭園美術館として公開されていますが、主屋部分の「招喜庵」は通常は非公開の、趣深い御邸です。管理しておられるのは、あさぎ美術館はじめ、きもの、ジュエリー、ブライダルと幅広く事業展開しておられる塚本喜左衛門氏(ツカキグループ代表)。歴史ある建物の保存・再生事業にも尽力しておられます。この度御縁を戴いて開催の運びとなりました。

 

大広間ではなく、襖を外して、いくつかの小間にお席を設置致します。ご予約が多くなりますとお座布団席を追加することも御座います。御協力いただけますようお願いいたします。

 

開場までの御時間はご入場いただけませんので、お近くのカフェなどで御時間の調節をお願い致します。

 

お隣の重森美玲庭園美術館の見学は含まれておらず、こちらで承ることは出来ません。ご希望の方は直接お問い合わせ下さい。11時から限定10名ほどとのことです。

 

 

 

 

【柏木】後編 第三十六帖

    

月12日 (日) 

 

ところ 招喜庵    地図

 

京都市左京区吉田上大路町34

 

開場   13時30分より受付開始

開演   14時 (16時終了予定)

 

ご参加費 4000円  

要予約 椅子席。

 ご予約は↓フォームへ

 

定員 50名 お早めに御予約下さい

<アクセス>

●阪急河原町、京阪出町柳から 市バス201系統 京大正門前(東一条)下車 

●JR京都から 市バス206系統 

   京大正門前(東一条)下車 

 

徒歩→出町柳2番出口から17分 経路 

 

 

源氏物語 柏木 招喜庵 京都 山下智子
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 *******以下は公演記録です*******

  

源氏物語第二部【柏木】前編  一月二十二日 (日)

ちおん舎 一階大広間

 

源氏物語 朗読 柏木 山下智子 ちおん舎 京都 町家

 

いまはとて燃えむ煙もむすぼほれ

 

絶えぬ思ひのなほや残らむ


「この世で こんな思いかけぬことで報いがきてしうたさかい
後世の罪 少しは軽うなるやろか」
                  (柏木より)

 

柏木 前編 あらすじ


 密通の事実が六条院に漏れたと知った柏木衛門督は、死を以て許しを乞うほかないと病床から女三宮に消息、女三宮た、侍従を介して身の辛さを伝えた。衛門督が侍従に最期の文を託したその夜、女三宮は産気づき男御子を出産した。父として不義の子を抱く源氏の心は重く、これは若き日の罪の報いであると思われた。盛大な誕生祝いの中、冷淡な源氏の態度に女三宮は苦しみ、出家の決意を告げる。源氏は内心歓迎しながら女三宮の若さを惜しむのだった。娘を思う余り下山してきた朱雀院と三者で対面、朱雀院は宮の出家懇請に戸惑いながらそれを認め、断行した。が、この取り返しのつかない事態が六条御息所の死霊の所為であったとわかる。
 死の床にある衛門督は女三宮の出家を聞き及びいよいよ衰弱、弟右大弁に北の方(女二宮)の後事を託す。帝は衛門督が臨終と聞き、回復を願って権大納言に任命するが甲斐のないことであった。

 これまでの物語をお聞きでない方もご安心下さい。

30分の解説でこれまでのお話や背景をお聞き頂いた上で語ります。

 

 

会場 ちおん舎さん

 

今回の会場「ちおん舎」さんは、京着物文化を長く牽引してこられた老舗千吉さん所有の重厚な京町家です。しっとりとした中に、時をかさねた京の奥深さを感じる佇まいを味わって下さい。

  ちおん舎の建物について

千吉商店の歴史  千切屋一門の由来

京都における最古の商家の家柄として世に知られた千切屋一門西村家の遠祖は、遠く奈良時代の藤原淡海公の末裔に求められ、その祖貞喜は工匠神人として南都一条院に関係し、春日神社若宮祭事の時、興福寺衆徒の供進する千切花の台を毎年製作奉納していたと伝えられ、平安遷都の際、宮都造営の用を拝して京都に移住したと伝えられている。その後、応仁の乱に際して江州甲賀西村の里に何を避け、乱後京都に復帰して初めて法衣業を三条室町で始める。この法衣商人としての初代貞喜は、遠祖工匠神人貞喜に因んで「千切台」をその商標として屋号を「千切屋」と称し、名を千切屋与三右衞門と改めている。 → 続き

 

アクセス ちおん舎

詳細アクセスはこちら 

グーグルマップで

 

地下鉄烏丸駅 南改札口/6番出口から

階段を上がり地上に出て右折

三筋目を右折→少し進むと左手にちおん舎の看板

阪急烏丸駅 西改札口から

西改札口から22番出口を左折4筋目を左折→3筋目を右折→ちおん舎

 

 

第40回【柏木】前編 第三十六帖

    

月22日 (日) 

 

ところ ちおん舎 一階大広間    地図

 https://www.chionsha.com

京都中京区衣三条上る突抜町126

075-221-7510 当日のみ

 

開場   13時30分より受付開始

開演   14時 (16時終了予定)

 

ご参加費 3500円  

要予約 全椅子席。お座布団席もあります

 ご予約は↓フォームへ

 

 

アクセス  

市営地下鉄烏丸御池駅 より3分

阪急烏丸駅から11分

 

 

 

源氏物語 若菜 大覚寺 山下智子

源氏物語第二部【若菜 下】其の四  十一月二十日 (日) 

大覚寺 嵯峨寮

源氏物語 若菜 山下智子 大覚寺 ちらし

 

思へば その世の事こそは 
いと恐ろしくあるまじき過ちなりけれ
 
「衛門督が、こちらをみて笑うていられるのは、何とも恥ずかしい。
そうはいうても、今しばらくのことやろう。年月はさかさまには流れぬもんや。」
                  (若菜下より)

 

 若菜 下 其の四 あらすじ

 柏木の密通とそれによる女三宮の懐妊を知った源氏は女三宮の処遇に苦悩する。
紫上は病のうちにも源氏の思い悩む様子に女三宮への配慮を忘れない。
柏木は、密通の手引きをした小侍従から源氏が真相を知ってしまったことを聞かされ、戦きながら今になって女三宮の軽率さを思い、源氏は女三宮の幼さを悔やむと共に、かつての玉鬘の振る舞いが賢明であったことを思う。女三宮を案じる父朱雀院の文を読んだ源氏は、自嘲気味に女三宮に訓戒、院への配慮で返事を書かせる。

 六条院での朱雀院の五十の賀の試楽に召された柏木は、知らず顔に装う源氏に恐縮、皆が舞の素晴らしさに涙する中、源氏が名指しで向けてきた皮肉と視線に畏怖する。怖れのあまりに妻である女二宮に別れを告げて実家で重い病の床についた柏木を、帝はじめ世の中は惜しむが、延び延びになっていた朱雀院の五十の賀は柏木不在で執り行われるのだった。

 

 

大覚寺 嵯峨寮

今回は、六条院を彷彿とさせる大寺院 大覚寺 その内にある「嵯峨寮」が会場です。

嵯峨天皇の離宮を寺に改め、後宇多法皇が院政を行い、嵯峨御所とも呼ばれた大覚寺。平安時代前期の名残をとどめる日本最古の人工の庭池 大沢池に龍頭舟を浮かべての舟遊び、華道嵯峨御流の総司所としても知られています。皇室ゆかりの門跡寺院の風格を味わって戴けます。

是非荘厳な堂内を拝観され、ゆったりと散策なさってください。お席料に拝観料は含まれておりません。拝観料=御堂エリア500円 大沢池エリア300円

 

アクセス 

市バス28 京都駅~阪急西院/嵐山駅経由

市バス91 四条烏丸~嵯峨嵐山駅経由

京都バス94 阪急嵐山駅~いずれも大覚寺下車

 最寄り駅嵯峨嵐山駅からは徒歩15分ですので、バス、タクシーをお勧めします。

 

第39回【若菜 下】其の四 第三十五帖

    

11月20日 (日) 

 

ところ 大覚寺 嵯峨寮       地図

 

開場   13時30分より受付開始

開演   14時 (16時終了予定)

 

ご参加費 3500円  

要予約 全椅子席。 ご予約は↓フォームへ

 

拝観の方は表門

語り会場に直行される場合は、明智門からお入り下さい

アクセス 

!!最寄り駅嵯峨嵐山駅からは徒歩15分ですので、バス、タクシーをお勧めします。

 駐車場使用は500円/2時間

大覚寺Tel   075-871-0071(当日のみ) 

 

源氏物語 若菜 大覚寺 山下智子

  

源氏物語第二部【若菜 下】其の三  九月十七日(土) 十八日(日)

 泉屋博古館 講堂 板谷波山 特別展とともに

 

源氏物語 若菜 山下智子 泉屋博古館 ちらし

 

悔しくぞ摘み犯しけるあふひ草

神の許せるかざしならぬに

 
「昨日のものはどう遊ばしました
今朝 院が見といやした文の色は似てたことでござりましたが」
                  (若菜下より)

 

 若菜 下 其の三 あらすじ

 柏木は女二宮と結婚するもなお女三宮を諦めらめきれず、小侍従に女三宮への手引きを頼む。その必死さに負けて小侍従は六条院が人少なの折に女三宮の御寝所に柏木を招き入れてしまう。見知らぬ男の出現に脅えて声も出ない女三宮を口説くうち分別をなくした柏木は宮と契り、猫の夢を見て目覚める。二人は共に源氏の院を畏れるが、この一夜で女三宮は懐妊してしまった。

 二条院では病に伏せっていた紫上の訃報が流れ一時騒然となるが、祈祷により息を吹き返す。災いは死霊となった故六条御息所の所為であった。受戒をした紫上は小康を得る。

 源氏の院は女三宮の懐妊に不審を抱いていたが、女三宮の襖(しとね)の下に挟み込まれた柏木からの文を発見、密通が露見してしまう。女三宮は自身のうかつさに涙するばかりの幼さであった。

 

 

 

泉屋博古館 特別展とともに

今回の語り会は、泉屋博古館で開催の特別展「板谷波山の陶芸 近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯」の観覧チケット付きの企画です。

板谷波山の作品を初めて拝見した時、その精緻な美しさに息をのみました。作品作りに於いて一切の妥協を許さなかった波山の、震えが来るほどの作品世界をどうぞご堪能下さい。

また、泉屋博古館が誇る 中国古代青銅器コレクションも時を忘れる感動です。是非御時間に余裕を持ってお運び下さい。

語り会の開場、受付開始は1時30分です。

 

板谷波山ページ  https://sen-oku.or.jp/program/2022_itayahazan/

青銅器ページ   https://sen-oku.or.jp/program/20220903_bronz/

 

 

今回は特別展の入館料(千円)がお席料に含まれます。(裏事情で恐縮ですが、沢山のお運びで団体扱いにして頂けますので)是非お誘い合わせの上お越し下さい!

泉屋博古館様では、コロナ感染予防対策強化でお席に限りがあります。ご予約はお早めにどうぞ!

 

虎卣(こゆう)青銅器 泉屋博古館所蔵
虎卣(こゆう)青銅器 泉屋博古館所蔵

第38回【若菜 下】其の三 第三十五帖

    

月17日(土) 18日(日) 

 

ところ 泉屋博古館 講堂

 

開場   13時30分より

開演   14時 (16時終了予定)

 

ご参加費 4500円  

板谷波山展覧会 入館料を含みます

 

要予約 全椅子席。

 

 

https://www.sen-oku.or.jp/kyoto/

 

(鹿ヶ谷 平安神宮近く) 地図

 

 


 

!!若菜の巻のこれまでの粗筋こちら 公演記録でお楽しみ下さい。

www.genji-kyokotoba.jp/京都語り会/